野鳥の名前  由来 と 語源 安部直哉 2

 前回はア行まで。カ行から続けていく。

カイツブリ 鳰(にほ)鸊鵜(へきてい)
 古代日本ではにほと呼ばれていた。中国ではヘキテイ。
 にほはみほ。水に入る鳥。
 カイツブリ の語源は多く説がある。
 水を搔いて 潜る からかきつぶり。
 櫂のような足をしている、瓢箪(瓢つぶり)。
 水を搔いて水に入る時の音(ツブリッ)。
 最後は何だか ジブリみたいなのが。ちなみに 吉田戦車がジブリを擬音として使った漫画を書いている。確か ゴッドボンボン。
 個人的には カイツブリはとても可愛いと思う。なのに 鳴き声がおどろしいところもポイントが高い。ひなを背中に乗っけるところもいいよね。

カケス 樫鳥
 鳴き声から。がーとかげーとか言われるが、千葉県君津地方の 聞きなし、ガエスが語感に近い。
 漢字では樫鳥。樫の実を好むのだそう。
 よく、懸巣と表記されるが、筆者は 生態的に否定的な立場を取っている。
 個人的にはこいつの、オナガと同じカラスの仲間で、声が汚いと思っている。ただ翼のブルーがとても 鮮やか。出会うと嬉しい鳥の一つ である。

カシラダカ 頭高
 冠羽が逆立っているから。冬鳥。

カツオドリ 鰹鳥
 よくカツオやマグロの群れの位置を漁師に教えてくれるのでカツオドリ。表層に来た小魚を狙う 習性によるものだが、大水 薙鳥もそのような習性を持つ。

カッコウ 郭公
 鳴き声。
 どうぶつの鳴き声は、国によって聞き方が違うものであるが、この格好に至っては だいたい同じなのだそうだ。コウコウとか。

カモメ 鴎
 幼鳥の羽の模様が籠目だったから説。
 囂しい(かまびすしい、かしましい)カモ、群(むれ)メ。合わせて カモメ説。
 漢字の鷗の音読みは鳴き声からオウ。

カヤクグリ 茅潜
 草むらの中でひっそりとしているから。
 見つけられる気がしない。

−シジュウカラ などの「から」の語源
 柳田:雀のことを くらという。シジュウとなく雀でシジュウカラ。
 語源辞典:からは 小鳥の総称。つばくらめなどと一緒。
 著者の説:山に住む鳥で、混群を形成する。つまり 山に住むハラカラ(同族) である。つまりははらからのからであると。
 私としては 柳田説かな。から系の鳥の姿は、ちんまりとして 似通っている。混群の中で、特徴を捉えて頭につけたのだと思う。とすると 著者の混群をもとにした 推測は、彗眼。

カルガモ 軽鴨
 軽という土地に住んでいたから。
 万葉集 第3巻 390。軽の池で夏に鴨が歌われている。夏にいる鴨は日本では カルガモだけ。よって、軽の池の鴨。
 日本書紀によると、応神天皇が剣池、軽池、鹿垣池 、厩坂池を作ったという。どうやらその場所は 奈良県橿原市大軽町にあたるらしい。
 鴨自体の語源は、浮かぶ(む)鳥が変化したもの、もしくはカモメも含めて鴨群れの略、などの説がある。

カワガラス 河烏
 川にいるカラスだから。カラスというか 黒っぽいということですね。

カワセミ 翡翠
 古事記伝によるとそにが、そび、せびになって、さらにセミになったと。で、川辺にいる。
 そもそもの(そに)とはというところで、筆者は 鳴き声説をとなえている。
 アカショウビンについても、同様に 鳴き声説を考えている。
 翡翠:チッツー→ソッニー
赤翡翠:キョロロロロ→ショビビビン
こういう感じでしょうか。
 個人的には ソニと言われたら、ソニックを連想します。カワセミの青い閃光のような速さは、まさに ソニック。集合的無意識なんてものが存在するかは分かりませんが、あれを見た瞬間にソニって思ったのかもしれません。つまり、カワセミの飛ぶ速さが 名前の由来⋯⋯だったとは正直 思いません。

キクイタダキ 菊戴
 頭頂部の羽が黄色。
 戴く。載せる。いただくと、のせる。紛らわしい漢字である。

キジ 雉
 古名きぎし。縮まって キジ。
 なんできぎしなのかは謎。鳴き声由来説あり。
 漢字の由来は、矢のように飛ぶ鳥。低空で水平に飛んで、長距離飛ばずに着地するあたりが確かに矢のようだ。

キジバト 雉鳩
 土塊鳩の古名あり。
 羽が雉に似ているからキジバト。
 作者は 木地に似ているからとの説を提示。
 ハトそのものの語源は、羽ばたきによるものと言われている。現代はパタパタと言うが、当時はハトハト 飛んでいたのだろう。
 ちなみに 漢字の鳩、これは 鳴き声によるもの。現在では デーデー ポッポ だが、昔は クークークックゥだった。漢字で書くと、九九ー空空。
 ついでに、鴉。ガーガー(牙ー牙ー)。

キセキレイ 黄鶺鴒
 鶺鴒は漢字の音読み。漢字の意味するところは、背筋の伸びた美しい鳥。脊髄のセキに令嬢のレイ。
 とつぎおしえどりの異和名は、イザナギとイザナミの神話による。

キバシリ 木走
 生態による。垂直な木を上に下に走る。

キビタキ 黄鶲
 ひたきは火打ち石を打つような鳴き声から。もっとも、この声はジョウビタキやルリビタキのよるもので、黄鶲は同科の鳥であるが、火打ち石のようには鳴かない。

キョウジョシギ 京女鷸
 夏羽が京女の着物のような鮮やかさ。確かに、赤褐色、黒、白でおしゃれ。
 一応、鳴き声説もある。

キリアイ 錐合
 期限、意味不詳。
 著者は、眉線がキリを合わせたように見える、と言っている。
 眉線もそうだが、背中にも 肩から中央に向かって合わさっていく 白い 筋がありこちらの方がむしろ 目立っている。
 よくトウネンなどと混ざっているらしいが、全く 見分けられると思わない。

キレンジャク 黄連雀
 雀は一般的な小鳥。連は連れ立って行動する生態から。確かに結構な群れを形成する。個人的に一度見てみたい 鳥の一つ。

キンクロハジロ 金黒羽白
 羽に白い帯がある鴨を羽白鴨という。スズガモなども含む。
 で、目が金色で、体が黒く、羽が白いのですから、キンクロハジロ。
 私の好きな鴨の一種。

クイナ 水鶏
 鳴き声から。くひ、くひ。ナは鳴くの語根。くひ鳴き→クイナ。
 ヒクイナの鳴き声、万葉集で戸を叩く音に例えられている。

クマゲラ 熊啄木鳥
 同種のものより特に大きいことでクマ。

クマタカ 熊鷹 角鷹
 同種のものより大きい鷹。
 角鷹は頭部の羽がつんつんに立っているから。
 
クロジ 黒鵐
 鵐はホオジロ科。それの黒いやつ。

ケイマフリ 
 アイヌ語。ケマ(脚)フレ(赤)。
 漁師の中にはアカアシとよぶ人もいる。実に日本語的。

ケリ 鳧
 鳴き声。ケリリから。
 漢字は音読みでフ。中国では鴨を表す。
 日本では万葉の時代には、鴨と区別されていた。

ゴイサギ 五位鷺
 平家物語引用。天皇の宣旨に従って自ら捕らえられた際に五位の位を授けられ、鷺の王とされた故事から。
 幼鳥は星五位。

コウノトリ 鸛
 嘴を打ち合うクラッタリングの音を聞きなした。クワン→カン→コウン→コウ。

コオリガモ 氷鴨
 北方系のカモ。流氷の海にいることから。もしくは、羽が氷のようだから。

コガラ 小雀
 カラ類の小さいやつ。
 少なくともメジャーなシジュウカラよりも小さい。

コグンカンドリ 小軍艦鳥
 英名frigatebirdの訳。
 翼開長が長く黒い軍艦鳥の群れは、まさに軍艦のよう。素行も悪く、鯵刺や鰹鳥を追い回して餌を吐き出させ横取りしたりする。もちろん自分でも狩りをする。

コゲラ 小啄木鳥
 小さい啄木鳥。 
 個人的可愛い鳥アワード優勝。

コサギ 小鷺
 小さいさやけき鳥。

コチドリ 小千鳥
百羽、千羽の大群を作るので千鳥。


コノハズク 木葉木菟
 ズクはフクロウの一種をさす。
 木の葉ほどの大きさの種。
 実はこいつがブッポウソウと鳴く。
 いわゆるブッポウソウはブッポウソウと鳴かない。全く宗教勧誘はいい加減である。

コマドリ 駒鳥
 馬(駒)のいななきのように鳴くから。

コミミズク 小耳木兎
 耳の小さいズク。
 全体としては38cmほどで、そんなに小さくない。
 




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