野鳥の名前  由来 と 語源 安部直哉 3

 あ行とか行だけで50%に達した。隔たりを感じるが、青とか赤とか川とか海とかは強い。

サカツラガン 酒面雁
 頬がうっすらと 褐色。酔っ払っているみたいなので。
 雁(ガン)とよむならば、鳴き声から。クワァーン
 雁(かり)と読むならばか、かへり(帰り)渡り鳥の生態から。
 平安時代の雁信という故事も由来の一つとされるが、どう考えても故事のほうが後。
 同科のカリガネは家紋になっている。柴田勝家の丸に二つ雁金など。

サシバ 差羽 刺羽
 定説はない。
 筆者は岩波の古語辞典を参考に
(さし)一方向に直線に移動する、また様子。
 これにヒントを得て、バは鳥を表す言葉として語尾についたと解釈している。
 目指すのは越冬地らしい。
 狩りの様子ではなかったのか。
 ちなみに夏鳥。

サメビタキ 鮫鶲
 頭から背中にかけて鮫色。
 サメの皮は古くから、刀の柄の滑り止め などに使われていたそうだ。
 
サルハマシギ 猿浜鷸
 夏羽は 頭 、胸 、腹 が赤褐色。他はハマシギに似ているので、サルハマシギ。

サンカノゴイ 山家五位
 人里離れた山の方にいるゴイサギみたいなやつ。

サンコウチョウ 三光鳥 
 鳴き声から。つき、ひ、ほし、ほいほいほい。となく。
 私も何度か聞いたことはあるが、姿は見たことがない。
 オス長い尾羽は夏が過ぎると抜けるんじゃなかったかな。

サンショウクイ 山椒喰
 鳴き声。ひりりりり。山椒を食べて口がヒリヒリするよ言っているみたいなのだそうだ。
 さすがに飛躍しすぎと思わんこともない。

シジュウカラ 四十雀
 鳴き声がシジュウと聞こえることから。
 そうかなぁ。ツーピータイプではないだろうし、ジュジュジュタイプの方かとおもう。始終ジュジュジュと鳴いていると言うのは私個人の思いつき。

シノリガモ 晨鴨
 晨(しのり)とは朝焼けや夕焼けの空を指す言葉。
 オスの黎明の空を 思わせる体色と白い斑が由来。

シマアジ 縞味
 まず、巴鴨が古くは味鴨と呼ばれていた。美味しかったのでしょうね。
 羽衣に、縞のあるこいつも美味しかったのでしょう。縞のある味鴨。

シマフクロウ 島梟
 この島は、地域の限定の島。
 このへんはうちらのしま

シメ 鴲 比女
 鳴き声。シーと鳴く鳥(メ)。

ジュウイチ 十一 慈悲心鳥
 杜鵑。
 鳴き声。ジュイチと鳴く。ジヒシンとも鳴く。

ジョウビタキ 尉鶲
 シルバーヘアの翁(尉)みたいなヒタキ。尉は見た目。鶲は鳴き声。

スズメ 雀
 スズは鳴き声から。メは鳥、その群れを表す。すずめ。
 
セイタカシギ 丈高鷸
 背丈が高いシギ。

セグロセキレイ 背黒鶺鴒
 見た目。

セッカ 雪加
 由来となる文献はない。
 営巣に蜘蛛の糸と千萱(チガヤ)の穂を使う。それが雪を加えているように見えたか。総筆者は言っている。
 
センダイムシクイ 仙台虫喰
 虫を食べるから。
 鳴き声が、ちぃよ。千代と聞きなし、さらに変換。仙台に。
 チヨムシクイの時代もあったらしい。
 千代と書いてせんだいと読むのは、歌舞伎の演目「伽羅千代萩」(めいぼくせんだいはぎ)。ここからせんだいと読むようになったとされる。伽羅と書いてめいぼくと読ませるのもどうかと思う。
 ちなみ、伽羅先代萩は伊達家の御家騒動の物語であるので、それも連想される。

ダイシャクシギ 大杓鷸
 長い下向きに反った嘴の大きいシギ。その嘴を柄杓の柄に例えた。

ダイゼン 大膳
 大膳職(だいぜんしき)という、昔の宮内庁にあった 食前や 宴会などを取り仕切る役職の名前から。
 美味しい鳥 なんでしょうね。大膳職の定番であった。
 昔は大膳鷸と呼ばれたらしいが、シギ科ではなくチドリ科とわかったので、シギの部分がなくなった。

タカ 鷹
 高く飛ぶことと猛き鳥であることから。
 定説はない。

タシギ 田鴫
 田んぼによくいるから。

タマシギ 玉鷸
 翼の上面に円形の斑があるから。
 作者は目の周りの白斑が勾玉のようであるからとも主張する。平安以前の時代からであれば、私も指示したいと思う説である。

タンチョウ 丹頂
 丹は赤、朱。頭の頂部が赤いから。

チュウヒ 沢鵟
 鵟はノスリを指す漢字。沢や沼沢にいるノスリの意。
 チュウヒの宙飛からきている説あり。空
高く飛ぶことか、宙返りすることか。
 生態としては割と低空飛行。ノスリと逆ではとも言われる。
 ノスリも狩りの時は低空を飛ぶし、チュウヒも繁殖期など上空を飛ぶ。
 個人の意見として、チュウヒは飛翔時の翼が特徴的なので、そっちが印象的だったのかもね、と予想。

チョウゲンボウ 長元坊
 諸説あり。
 トンボをゲンゲンボーと呼ぶ地域がある。飛ぶ姿がトンボに似ている。鳥のゲンゲンボーだから 。
 長元というお坊さんに由来する。チョウゲンボウの頭は 青く、剃り上げた坊主のようではある。

長元さんの伝説
 飢饉に苦しむある村に長元という お坊さんがやってきた。
 村の惨状を見るや 、山にこもり飲まず食わずで祈祷を続けた。
 村人からの施しも一切受け取らず、祈祷したまま息絶えた。
 すると 飢饉は収まり、村人は喜んだ。
 その時空を見上げると、ある鳥が空を旋回していた。村人たちは、感謝の意を込めその鳥を長元坊と名付けた。
 
 あきらかに屍肉を狙っている気もしますが。

ツグミ 鶇
 音読みはトウ。
 噤むからツグミ。
 大言海によると、夏至の後、声がなければ云う馬鳥、とある。
 夏になると黙ってしまう(いなくなる)鳥ということ。
 冬鳥だものね。

ツツドリ 筒鳥
 杜鵑。
 鳴き声。筒状のものを手のひらで叩いた時の音、ぽぽぽ、に似ている。
 作者はこの説明の後に、鳴き声がツツ⋯と聞こえるからと書き足しているが、諸説ということか。筒への連想が弱いと思ったのか。

ツバメ 燕
 古語つばくらめ。
 諸説。
 鳴き声ツバに、小鳥を表すクラ、鳥を表すメ、あわせてツバクラメ。
 見た目。光沢黒女(つやくろめ)
 生態。土喰黒女(つちはみくろめ)
 
 などの説がある。
 鳴き声説は説得力が弱い気もするが、最近はシュバシュバいうアヒルもおりますし、その様に聞こえても不思議はない、とも思う。

ツミ 雀鷹
 和名抄に「須須美多加、あるいは豆美。よく雀を捕らえて、引っさげている鷹」とある。
 ススミタカ→ツミタカ→ツミ

豆美(ツミ)
 読みはツミ。豆は小さいことを表し、美は上の文字をあきらかな状態と表す接尾語。あきらかに小さいタカということか。略される前に暫くはツミタカ期間があったのではと思う。

トウゾクカモメ 盗賊鴎
 海鳥類を追い回し、餌を吐き出させ奪うさまから。

トウネン 当年
 当年生まれと思うほど小さいことから。

トキ 鴇 朱鷺
 定かではない。
 古くは桃花鳥(つき)。とうかちょう。
 古事記にて、衝田岡つきたのおかの表記が、後に桃花鳥田岡と記載されている。そこに朱鷺がたくさんきたので、ダイナミックな当て字をしてツキと読むようになり、そこからトキに変化した可能性が示唆されている。地名由来。
 ちなみにトキの羽は、朱の入った薄い桃色。真っ白ではない。

トビ 鳶
 翡翠の古名ソヒ。
 白鳥の古名ククヒ。
 ヒとは鳥を表す。
 飛ぶヒでトビ(土比)。
 飛ぶというのは、グライダー旋回で長時間滑空していた様子を捉えたのかもね。

トモエガモ 巴鴨
 顔の模様から。

トラツグミ 虎鶇
 虎のような模様があるから。
 古名でヌエとも呼ばれる。鳴き声がキモいから。こちらの由来は不明。




 

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