健康診断、いやさ特定健康診査。

 国保なら特定健康診査。45歳以上無料。
 自営業者たるもの、そんなものは後回しにしてなんぼ。その様に過ごしてきました。色々嫌な予感はするのですけれど、私ももう50。
 まあ現状の把握はやっておいて損はありますまい。健康診断、エコー検査の楽しいお話を聞く機会もあり、ならばと一念発起。対応する病院を調べ、予約の電話をかけたのです。
 「特に予約はいらないっすよ。」
 病院の方はこうおっしゃります。ああ、そうですか、じゃあよろしくで良さそうなものですが、不安にかられ「土曜日でも良いですか?」と二の句を継ぎます。すると、早めに来て受付してね、とのこと。拍子抜けするほどあっさりとしたやり取りでした。
 予約不要なのはそこそこの規模の総合病院だからかな?。ともあれ、日時の選択の自由が手に入ったというのは言い過ぎでも、時間の捻出の難易度は格段に下がったのですから、行かない理由はなくなってしまいました。行きます、行きますよ。

 仕事のない土曜、一応作法として朝食を抜いておきます。腹ペコ感が出るかと思ったのですが、およそ20年ぶりの健康診断。緊張も有ってか、イライラも胃の違和感もありません。
 受付にて申し込み、当たり前ながら受付の方は手慣れた様子、こちらは促されるままに問診票を記入し、マイナ保険証を受付機に通します。流れ作業のコンベアに乗った部品の気持ちで、ただただ流れていきます、その第一工程にはちゃんと乗れたようです。食券制飲食店と同じ気楽さがここにありました。
 
 まずは、検尿。専用の小部屋で尿を取り、隣の部屋からもアクセスできる棚に置くようです。いざ、尿を取っていると、棚の奥の小窓が開き、すでに提出されたカップを回収していかれます。こちらは急な物音にビックゥゥと背筋が伸びます、何事ですか。心臓に悪いわぁ。幸い取りこぼすことなく、作業は完了。この先の検査に弾みをつけます。こっちが弾んでどうにかなるものだとは思いませんが。
 廊下のマシンで血圧を測り、次の検査を待ちます。下はいいとして上がいつもより高く出ます。不本意。128−75を理想としていましたが、上が135。これも緊張のせいかと諦めます。本当の私はこんなもんじゃないって言ってもしょうがありません。
現実を受け入れます。
 少々 ブルーになりながら待っておりますと、名前を呼ばれて 面談が始まります。問診ではなく 検査 自体の説明という感じ。結果通知の日程などの 説明を受けます。オプションの追加もここで。せっかくなので胸部レントゲンと大腸癌検診を追加。すっかり、せっかくだからみたいな気分になってしまう。これは商売上手と言ってもいいのだろうか。 どうだろうか。ちなみに 結果発表は1ヶ月後。その場でバーンと結果が知れればそれはそれで 清々しいかな とも思いいたりますが、ただ そういえば という 忘却も、一つの心構えの形式かと思うことにします。
 さて 検査は胸部レントゲン、 心電図と進みます。この頃になるとだいぶ 緊張もほぐれてきて、いかに スマートに検査を受けようか などという、どうでもいい こだわりが頭をよぎり、我ながら 困惑。基本的には言われた通りにするだけなのですが、脱ぐべきところは パッと 脱ぐくらいのことは 徹底しようと改めて思います。もうそんなことを気にする年でもありません。
 ですが 、考えてみると、毛胸、いやさ胸毛を気にしながら生きてきた人生。若い頃はされるがままでしたが、後々ブラジリアンワックスなどの力 技 脱毛に趣味としてはまったり、なんだかんだいい具合の共存ができていたような気もします。気が向いた時に抜いたり 剃ったり。このぐらいが良い 付き合い方なのかもしれません。
 視力 張力の検査はなく、身長体重を測るぐらいのことはしたのですが、今まで179cm あると思っていた私の身長が178cm 台だったことが発覚。縮んでしまったのでしょうか。体重もベストよりはプラス 2kg ぐらいありましたね。それにしても 心電図のプローブのヒヤッとする感は相変わらずです。精密な検査ですから、温度も 管理されているのでしょうか。
 
 次はいよいよ問診ですが、廊下にずらりと並んだ 長椅子には、呼び出しを待つ人々が目白押し 。長い戦いになりそうです。スマホをいじりながら、のんびり待ちます。杖に4つ足のアタッチメントをつけたら、やたら安定して使いやすくなったとか、ご老人同士の長寿 マウント、そんな会話が聞こえてきて、なんだかちょっと楽しい。
 ところで、医療機関の予約というものは だいたい 後ろにずれ込むもの、という経験則 みたいなものが 私の中にはあります。予約時間+待ち時間+施術時間=医者にかかる時間。
 しかし、最近は予約時間=施術開始時間となっているように見受けられます。医療業界以外では それはスタンダードだと私も思っています。ですが、お医者さんにかかる時だけはどうしても先の方程式が頭に浮かぶのです。医療機関や公共機関のサービス業化の影響か、そういった感覚が これからのスタンダードなのでしょう。しかし、現場では容態の優先度などままならない事象も日常的に訪れるはず。なかなか難しいことだなあと考えさせられました。30分待たされたことにクレーム用を言うお爺さんの怒声を聞きながら。
 時間に関するクレームについては もう一方いらっしゃいまして、その方は採血の順番がなかなか回ってこないと、次の予定があるのか、採血をキャンセルしようかしら、するわするわと逡巡しておられました。何か用事があるにしても、割と簡単にまた病院には来れる状態にあるのだなぁと、実はそのおば様の余裕 みたいなものを感じながら眺めておりました。ただ病院に来るだけというよりは、だいぶ おしゃれな格好をしておられます。まあこの辺は個人差 もありましょうが。実際 急いでいらっしゃったんでしょうね。私もその後 、そこそこの時間をまたされることにはなるのですが。
 ふと 待合室を眺めて、ここに並ぶ 皆さんはどのような病状を抱えているのか、そんなことを考えても シャーロックホームズじゃないんですから 全く分かりません。点滴の台車を引きながら パジャマで歩かれればまあそれは何となく 想像はつきますが、普段着で待合されている方に関しては、風邪の季節ではない この夏に、きっと 内科系 ぐらいの想像しかできません。時に自分の格好を顧みると、サイクルジャージにハーフパンツ。浮いているのは私でした。
 さて、やっと 問診に呼ばれます。自分の心電図 、レントゲンを見ながらいくつかの質問に答え、何十年ぶりかの聴診器を胸と背中に当てられます。なんだか懐かしい感覚です。長い間 タバコを吸っていた 私は、胸部のレントゲンを一番心配しておりました。すると 白い影などもなく、一面に染まった白髪を 七三に分けた先生が写真を見ながら、「健康。」とだけおっしゃってくださいました。細かいディテールがないと、信頼感が出ないような気がするのは私の贅沢でしょうか。実にありがたい 結論を先にもらえたような気はしますが、ジャージ姿に引っ張られててないかなというのも ちょっと心配になります。明らかに無用な心配です。素直にパッと見 健康、少なくともそのぐらいの判断をしていただいたことは 嬉しく思いましょう。じゃ お医者さんの冷静な判断を、その程度にしか私が信じられないということですね。
 問診の後は 採血、これも結構 待たされますが、雑多な待合の長椅子ではなく、エレベーター前の人通りのない空いたを確保できたため、ただただ スマホをいじる時間となります。
 多分、一般的な健康診断の時間を過ぎたのでしょう、なぜか先に会計に呼ばれます。採血 がまだ終わっていないものですから、てっきり 自分のことと思わずに、3度 4度 スルーします。会計のお姉さんの語気が強くなったところで、恐る恐る 私ですかと聞きに行ってみますと、実際 私。採血が終わってない旨を告げると、終わったら声かけてねと軽い 返答。これもきっと あるある なのでしょう。
 採血に向けてじっと腕を見る。多分 左かな。ぷっくりした血管がちょうどいいところにあるような気がします。ですがそれは 作業のする方の判断に寄りましょう。
 実際 私の番になり、お節介にも 両腕を差し出します。言われた方の腕だけ出しときゃいいのにね。結局緊張は取れたが落ち着きはなかったということで、多少の反省をします。ですが 選ばれたのは左。やりました。
 一気に 試験管 3本の血液を抜きます。大して痛くもなく、ずっとその様子を眺めます。作業者の方はとても器用なもので、片腕で血管を抑え、もう片方の手で 淀みなくするすると 血液でいっぱいになった 試験官を次々と変えていきます。変えるだけならまだしも、試験管をくるくると回して様子も確認しているようです。匠の技。お若いのに大したもんだと感心しているうちに、採血は終了します。願わくは、その血の中に糖分があまり含まれていないことを。
 最後にもう一つ やらかします。傷口を抑える ガーゼは、てっきり 自分で押さえて出て行くものと思いきや、テープで貼るから待っていろと。また昭和の記憶が発作のように私をかりたててしまいました。本当に、至りに尽くせ に なんですねぇ、しみじみとしてしまいます。
 これにて検査は 終了。会計の処理は終わっているのは分かっているので、声をかけてオプション料金の500×2、1000円だけを支払い、病院は後にします。
 時間は12時過ぎ、天気はすっかり良い天気。多少の風もあり、軽く サイクリング
をしながら帰ります。抜けた 血液のことを思うと若干 力は入りませんが、やはり サイクリングは楽しいですね。
 そして、新しい体験とは言いませんが、健康診断もやってみると ちょっと面白いなという感想を持ちました。結果は未知数。
 

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