旧古河邸のバラ園を見た帰りに、難波田城址公園の古民家エリアに寄ってみた。
以前、難波田城址のほうを訪ねたのだが、裏側に古民家のエリアがあるなどとはつゆ知らず完全にスルーしていた。あとから気が付き、いつか訪ねようと思っていた。
数棟ある建物をサラッと見て回った後、しばらく東向きの縁側に座り時を過ごす。
空は晴れ、晩春のまだ柔らかい日差しに心地の良い風が吹いている。
そよぐ木々の枝のどこからだろう、ムクドリの声がする。
家の前の広場では、数組の家族連れが竹馬や羽子板遊びに興じ空に歓声が響く。
私は時々目を閉じてまどろみと覚醒を繰り返す。
建屋にもお邪魔して床の間のわきの柱に寄りかかりあたりを眺める。柱も天井も黒い。これは何だっけ、柿渋とかすすとかでこうなっているのでしたか。防腐、防虫の効果があったはず。その所為か何となくほの暗い。これぞ日本の伝統家屋という趣がある。
ふと、昔読んだ谷崎潤一郎の陰影礼賛を思い出し、その場で青空文庫にて読み返す。
厠のくだりは置いておいて、日本の美意識として好まれた暗がりが、実用美によるものだと断じている。同時により便利なものが選ばれていく。電灯が例えば行灯などの照明と置き換わって行く過程での慣れ親しんだものがなくなっていく郷愁を感じていたのではないか。とかく、便利な新しいものと伝統の美意識との調和が難しいとしきりに書いてある。
ここの古民家では、作業をする板間は裸の電球が、畳の部屋は紙のシェードの電灯がぶら下がっていた。こういうところも、なんとはなしに美意識と実用美なのかもわかりませんね。
最後にちょっとだけ山崎公園に寄る。菖蒲は6月に入ってからかな。





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