春一番ではない、冬型の北風

  今日も今日とて、歯医者にかこつけたサイクリングをいたしますが、北風、正確には北西の風がビュンビュンと吹き荒れます。馬鹿じゃないのかと思います。ただ、フォローになった瞬間は天国です。
 
 すっかり 所要時間が計算できるようになりまして、10分ほどの時間つぶしにちょっと遠回り。河津桜の名所、江川沿いの山崎公園に寄り道します。
 河津桜はやはり 早い。満開を少し過ぎたぐらいのところでしょうか。見事です。
 もちろん桜を見るべきですが、今回の見所は、満開の河津桜の下、童の写真撮影に勤しむ親御さん達でしょう。皆それぞれの工夫が見られて面白い。
 子どもが普通に過ごすところを撮る自然派。
 子どもにポーズを取らせ(涅槃像、ビーナス誕生)、構図を決めて狙うアート派、サンタフェ派。
 最高の笑顔を取るためならば、道化も辞さない何か追い詰められたようにも見えるハイテンション派。
 様々な写真撮影 模様が見れて、興味深い。三脚のついた 望遠カメラを持った風景写真家たちはもう完全にタジタジ である。
 確かに、特にハイテンション 派を見ていると、近寄り難い危機迫るものを感じるのである。そんなテンション 感では、むしろ 子供は怖がるのではないか、と心配してしまう。道化に例えたが、いわゆる スティーブンキングのイットのペニーワイズのようなそんな笑顔の旦那さんであった。はい ジョージィである。まあ、別に呪いをかけようとかそういうことではないとは思うので、傍目に見るだけではある。ただ もしかして、写真を SNS に上げるのに一生懸命とか、そういった写真を親御さんに提供する仕事をしている方なのかもしれない、といった可能性を考えずにはいられない。
 実際、そういった 写真撮影の待ち合わせ みたいなものが行われているようで、普段は 閑散とした 山崎公園 も、駐車場は 満車。駐車場の空きを待つ 車列ができるほどである。こんなの初めて。
 そんな中 一番癒されたのは、河津桜 そのものと、その下で アルプス一万尺に興じる洋風なクラシックコットンっぽい服を着た童であった。
 もしかして その手の子供服の宣伝用の写真?

 幸いにして、公園に長居をする必要はなく、歯医者に向かい ブリッジを上下に入れていただきます。いい感じ。
 久しく、左側ではよく噛めなかったことが解消され、むしろ これからは 左側を酷使して行こうと決意。全く色々面倒に付き合っていただいた 歯医者さんには感謝しかない。
 


 お昼前には歯医者を終わり、サイクリングの時間となりますが、残念ながらこの強風。そして 行く先は 向かい風。
 先に知人と話した、地元にはあるけれどもなかなか尋ねることのない 歴史遺産 みたいなもの、そんなものを訪ねてみることにします。
 大宮東高校の裏に太平洋戦争時代の軍事工場で作られた陶器製の手榴弾が大量に廃棄されている場所があるらしいのです。もちろん 火薬は入っていません。⋯いないはず。
 なんとなくそちらに向かっていると、びん沼川にヒドリガモとハシビロガモ。楽しくなってまいりました。 目的地へ急ぐことなく ゆるゆると向かいます。
 






 目的の場所は意外とあっさり見つかります。手前にある住宅の作業小屋みたいなものが火事で全焼していたのは びっくりしました。
 現地は川幅はあれども、実際には 2m ほどの幅の流れしかなく、広めの湿地が広がります。
 こんな地形 ならば シギやチドリ類がもっとたくさんいそうなものですが、全く鳥の影は見当たりません。いても、セキレイ ぐらいかなぁと思っていたら、セキレイが一羽ピヨピヨ しておりました。義理がたいことです。
 さて、打ち捨てられた 手榴弾の部品である陶器は思った以上に量が多い。そして、川の流れが非常に緩やか というか、ほぼほぼ 水に浸かることもなく 良い保存状態で残っています。あまり増水の影響がないのでしょう。地図で上流部を眺めていくとどうやら 源流は伊佐沼から流れ出てるようです。なるほど、少なくとも今の時期は水量が完全に調整されている時期です。
 ほぼほぼ 割れている欠片を眺めると、色とりどりの釉薬のかかっているもの、素の物、何やら 刻印が入っているもの、ちょっとした 宝探し みたいな気分になることができます。
 しかし何でしょう、人の寄らなくなった後というのは、なんだか寂しくて興味深いものがあります。流れが変わってしまった後の源流の碑のような、動乱の中で 廃棄され放っておかれたこと自体に何か価値を見出してしまいます。かと言って 大事にしようとか思いませんが。
 




 帰りは向かい風に当たらないように帰ろうと思っていたのですが、荒川河川敷の菜の花の匂いに誘われて 真っ向勝負を決め込みます。まるで食虫花の香りに誘われる 昆虫のように。

 40キロほどの平地しか走っていないのに、なんだか疲れた 春の午後。



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