いわかがみ平

 

 例年、お盆は実家に帰省します。その時にはだいたい 自転車を持って行きまして、現在 暮らす 埼玉とは違った雰囲気のサイクリングを楽しむようにしています。
 去年まではサイクルボール という イベントが、宮城県内で行われており それに参加していたのですが、今年はなんだかんだ時間が取れそうにありません。
 それどころか お盆期間中に日本列島全体に前線がかかり、全く 天候が信頼できず、まとまったサイクリングは自粛しておりました。
 実家に帰省したとはいえ、一応は居候の身みたいなもの。軽くお掃除ぐらいしようと手をつけましたところ なかなか本気になってしまいまして、それも サイクリングがおろそかになった原因となりました。
 お墓参りの日程の隙をついて、朝の5時前からやっといわかがみ平に出発したのは、実家到着後4日も経った後でした。
 普段の早起きが祟って、5時過ぎの朝日はずいぶん 日が短くなったなぁ なんて思います。季節の先取りが過ぎるとやや 反省。何にしても、いつの季節も朝日というものは良いものです。
 


 さて このルートではコンビニに出くわすことはありません。昔ながらのクリーニング屋 併設の山崎 ショップの自販機にて携行するドリンクを補給します。ヤマザキショップといえば甘酒とブリザードスポーツが定番 です。少なくとも私の中では。塩タブレットは家から持参。

 ふと、見上げますと何か 緑色のものがディスプレイにぺったりくっついています。体長は 3cm ほど のアマガエルです。夜な夜な煌々と光が照らす自動販売機に張り付いていれば、もしかして餌には事欠かないのかもしれない。こいつ天才か!素直にこのカエル君に敬意を表します。よく見ればふてぶてしい顔をしていますが、単純に普通に可愛いですよね。思わず手に取ったり ちょっかいをかけたりすることを我慢して、先に進みます。




 国道457号線から宮城県道42号線へ入ります。道中は自然がゆたか。
 田んぼの端の電柱になぜか ノスリ。野生な環境で育っているのか警戒心が強く 、私が近づくと前へ前へと飛んで行ってしまいました。都市部では冬鳥のイメージであったのですが 、山の方に来ると普通に生活しているのですね。とても新鮮です。その他 、野鳥はスズメ、カラス、 ウグイスが元気でした。それと ホオジロ。シジュウカラ は、山の中腹で一瞬見かけただけでした。でもあれ 背中がやたら水色に見えたんですよね。もしかしてゴジュウカラだったかも という思いを禁じえません。道路上にはモグラとタヌキの亡骸。これもまた自然と思います。




 いわかがみ平の標高は およそ1110m ほど。宮城県側からの栗駒山の登山口 となっています。ちなみに 岩手県側の須川岳の登山口、須川高原温泉の標高 も1110m ほど。だいたい同じくらいの難易度を想定しますが、岩手県側の方がしっかりとしたアップダウンがありまして、初心者 中級者 未満にとっては、岩手県側の方が楽なように思います。こちらは つづら折りにつむ つづら折りで、斜度が3%ぐらいでも楽に感じてしまうぐらいの、錯覚が生まれるほど基本 坂道 一辺倒です。
 一関市内から、ゆるゆるとした登りがずっと続きますが行者の滝の辺りから、山が本気を出し始めます。盛り上がってまいりました。じきに中央線はなくなりますが、普通車であれば すれ違うには苦労しない程度の道幅。思ったよりも 道路状況はよく、安心して登ることができます。
 途中には普通に農家さんの民家があったり、温泉施設 キャンプ施設がちらほらと軒を連ねています。コロナ 禍を超え、営業を続けていらっしゃることが頼もしい。
 それを横目にゆるゆると登る 私の自転車を数台の登山客と思われる車が追い越していきます。普段なら貸切状態で 走ることを嗜好としますが、今日は 穏やかな気持ちで見送ります。彼らはこの後 徒歩で山頂まで登るのでしょうから。
 早朝のためか 体感気温も低く、やや厚めの雲が太陽を隠した際には寒さを感じるほど。とても走りやすい気候です。木々の切れ間から 時折 のぞく、山谷の風景に心を慰められつつ、のらりくらりと、時には 斜度が12%を超えるつづら折りの坂道をただひたすらにペダルを刻みます。
 地図で確認したつづら折り の数を数えながらひーコラ 登っていると、久しぶりに会陰のしびれを感じます。やばいなあと思いつつ、ダンシングしてみたり、ポジションを前にしてみたり、色々やっているうちにと頂上にたどり着きます。なんとか足つきなしで登れました。
 距離はおよそ11km になりましょうか。それを1時間50分。私としては十分な数字です。およそ6.5km の峠を50分から1時間で登りますので、単純に倍になったと考えれば十分な記録かと思います。まだまだやれるものです。このやれるということを確認するために登ってるような気もします。達成感にまた、ちょっと 違った ニュアンスを出してしまっているような気がしますね。



 いわかがみ平には、なんだか 立派なレストハウスがありますが、営業は10時から。売店とレストランが営業するようです。さすがに 今はかっちりとシャッターが降りています。ただ 入山届のポストだけが登山者を迎えています。
 水洗のトイレも完備され、駐車場も広くちょっとした登山には、うってつけのところだなという印象を持ちます。先ほど私を追い越して 言ったであろう 車の登山者たちも、それぞれに準備を進めてクマ鈴の音色を ひびかせながら、1組2組と登山口に入っていきます。一人だけ AM ラジオ 全開の古式ゆかしい おじいちゃんもおりました。懐かしい歌謡曲が響いたりしていいんですよねぇ。小型犬2匹と登っていったご夫婦は、やっぱり 熊よけの意味での犬ということでよろしいのでしょうかね。
 記念写真と甘酒 休憩。しばしゆっくりした後に、ささっと下ります。帰宅したらお墓参りです。





 いつだって 下りは最高です。道路は 広め。雲が切れてきて、山の景色はレベルアップ。軽やかな足取りで下ります。
 これで須川岳は2ルート踏破したことになります。電車が通っていたら輪行して東成瀬村からのアプローチをしてみたいところですが、なかなかの手間でありまして実現はしないでしょう。それもまたよし。

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